KORN『KORN』(1994年)〜ジョナサン・デイヴィスの絶望と世界の病理〜

Metal

こんにちは運営者のマナです、今日はニューメタル・バンドコーン(KORN)のファーストアルバム『KORN(コーン)』を紹介します、それではいってみましょう!

グランジ代表格ニルヴァーナカート・コバーンが亡くなった年のリリースされた本作『コーン』は明らかに今までのヘヴィメタルとは違う音を鳴らしていました。

ヒップホップに影響を受けた曲調、極端にダウンチューニングされた7弦ギター、打楽器のようなスラップを鳴らす5弦ベースなど、まさに異端の存在でした。

 

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【コーン バンド紹介】

KORN(コーン)はアメリカ合衆国カリフォルニア州で1993年に前身のバンドであるCreepを改名してリスタートしたバンドだ、ファーストアルバム『KORN(コーン)』リリース時のメンバーは以下。

  • ジョナサン・ディヴィス(ボーカル)
  • ジェームズ  “マンキー”  シェイファー(ギター)
  • ブライアン  “ヘッド”  ウェルチ(ギター)
  • レジナルド  “フィールディー”   アーヴィッツ(ベース)
  • ディヴィッド・シルヴェリア(ドラムス)

 

【閉塞感漂う90年代前半のロック・シーン】

コーンがファーストアルバムを発表した1994年は絶望のどん底で鳴っているような明らかに何かがおかしいアルバムが何枚かリリースされている。

例えばナイン・インチ・ネイルズ『ザ・ダウンワード・スパイラル』サウンドガーデン『スーパーアンノウン』そしてポーティスヘッド『ダミー』がそれに該当する。

それだけ世界中が病んでいたのだろう、そして何万もの人がその病んだ音楽に共感し共鳴したということが恐ろしくて悲しい。

【ジョナサン・ディヴィスの陰鬱な歌詞世界】

KORNのボーカルジョナサン・デイヴィスの書く歌詞には絶望・憎悪・怒り・怨念・恐怖・諦観・厭世など、ありとあらゆる負の感情があった、同じ90年代のグランジバンドニルヴァーナパール・ジャムなどの書く歌詞も憂鬱ではあったがジョナサンはその比ではなかった、自●寸前の人間が最期に独白しているように聴こえるのだ。

ファーストアルバム『コーン』にはジョナサンという一人の人間の浄化される前の漆黒の闇が嫌というほど詰まっている、

聴いていてちっとも気持ちよくないし歌詞の意味を知ると本当に気が滅入って気分が悪くなる。

しかし一度その世界観にハマると抜け出せなくなる圧倒的な魅力を秘めている!

【コーン沼にはまれ!!】

コーンのあまりにも鬱の方向に振り切れた世界観に拒否反応をしめす人もいるかもしれない、僕は親の車の中でコーンのCDを聴いていて「これなんか気持ち悪いから別のに変えて!」と言われたことがあるww

アルバムジャケットも児童○○を想像してしまう様な危険な物になっている。

音符ガール
音符ガール

このジャケットなんか怖いよ〜!

マナ
マナ

コーンの音楽はもっと怖いよ!

このアルバムは僕のような世間から疎外感を感じている人間にとってはこの上ない救いになるだろう。もしコーンに出会っていなければもう僕はこの世に居なかったかもしれないから。

ファーストアルバム『コーン』は、まごう事なきコーンの最高傑作にしてニューメタルというジャンルの極点。

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【アルバム『コーン』収録曲紹介】

1.  ブラインド[Blind](4:19)

僕にとってのコーン原体験の曲、不穏な重低音が鳴り響くイントロ、そしてジョナサンの「Are You Readyyy!?」の叫びにより全てが始まった。

フィールディ(ベース)のまるで打楽器のような音を出すベースを初めて聴いたとき僕は「なんだこれ?」と思った。今まで聴いてた音楽とは明らかに異質なこの音が怖かった、CD買ったけど歌詞がバンドの意向で掲載されて無かったから自分で辞書片手に訳したりしてたよ「ジョナサン・・あなた、どんな人生歩んできたらこんな歌詞かけるん?」僕は頭を抱えたよ、暗すぎるもの・・

でも繰り返し繰り返しブラインドという曲を聴いているうちにいつしか中毒になっていたんだよね。

今まで70~80年代の

2.  ボール・タング[Ball Tongue] (4:29)

アルバムの2曲目DEATH!!

いきなりBLINDで魂抜かれたリスナーをさらなるKORNワールドに引き摺り込む曲。

ジョナサンの解説によると「ボール・タング」っていうのは超早口の友人が居て彼が喋ると舌が球体みたいに見えることからついたらしいw 造語です。

ジョナサンによる暴虐スキャットも聴きどころ。

3.  ニード・トゥ[Need To](4:01)

この歌は恋愛と肉体関係について歌われている、フィールディーのベースが唸りまくる。

4.  クラウン[Clown] (4:36)

曲の始まりにメンバーの会話が収録されている、地の底を這いずるようなヘヴィなサウンドにゾクゾクする、後にシングルカットされた。

5.  ディヴァイン[Divine](2:51)

アルバムの中で最も勢いのある曲、後のラップ・メタルに通ずる要素もある。

曲の後半ではFから始まる例のワードを連呼している

6.  ファゲット[Faget](5:50)

ジョナサンの絞り出すようなボーカルと、奇声スキャットがいい。

ファゲットとはオカマと言う意味でジョナサンの学生の頃のいじめに起因…..

7.  シューツ・アンド・ラダーズ[Shoots and Ladders](5:22)

イントロでジョナサンが演奏するバグパイプが鳴り響いた瞬間、明らかにヤバイことわかる、曲中に民謡「ロンドン橋落ちた」が歌い込まれている、怪しさ満点の曲。

8.  プレディクタブル[Predictable](4:32)

ミドルテンポでヘヴィな曲、途中で極端にBPMを落としてから再び炸裂する構成が見事だ。

9.  フェイク[Fake](4:51)

明らかに不曲和音にしか聴こえないサウンドに頭がくらくらする、曲の後半では珍しいジョナサンのグロウル(デスボイス)が聴ける。

10. ライズ[Lies](3:22)

イントロでのギターでターンテーブルのスクラッチ音を出す手法はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロを彷彿とさせる、ヘッドの下水道みたいなコーラスも、す・素敵だ・・・アルバム通して聴いていると・・・非常に精神にくるものがあるな・・・

11.  ヘルメット・イン・ザ・ブッシュ[Helmet in the Bush](4:02)

ギターでサイレンのようなノイズを鳴らし、ジョナサンの囁きボーカルからのスクリーム!!

ヤバすぎる。

12.  ダディ[Daddy](17:32)

・・・この曲は・・・ジョナサン・ディヴィスが過去に受けてきた虐待について歌われている、今作の収録曲の中でもっともヘヴィな内容だ。

 

マナ
マナ

アルバム中最もヘヴィだ!

ジョナサンはこの曲のレコーディングの途中で号泣してしまう・・その泣き声も全て録音されてる・・正直この曲に関しては僕は半年に一回くらいしか聴けない、ジョナサンが受けてきた、いじめ・虐待を想像してしまい嗚咽してしまうのだ・・・

まとめ

ジョナサンは自分の感情を歌にして外に向けて巻き散らすことで、少しずつ少しずつトラウマと膿みと闇を浄化していったのではないか、コーンというバンドの本質を知りたいならこのアルバムは外せないだろう、今後何枚もアルバムをリリースすることになるが浄化される前の真の闇と絶望がここには確かに存在する!!

 

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